(ディプロマシー)外交ですべき7つの話

どうも、大学の人が減ってきて快適な時期ですね、四扇イドラです。

 

一連の記事で思考が戦略に寄ってきてるので、そろそろ外交についても書こうかと。

といっても、外交なんてまさに状況次第ですから、最低限というか最大公約数的に重要そうなことだけを再整理しておこうと思います。

そのあとのことはまあ、いったん保留にします。ちょっと文字情報にまとめるの難しいので、ちょっと検討の仕方を考えます。

 

以下、外交で最低限必要な話を7つ、重要だと思う順に列挙していきます。

1.不可侵(/合意SO)の話

不可侵の話はわりと危機意識からする人が多い気がしますが、合意SOという選択肢は見落としがちです。が、かなり有用なので使えるなら使いたいですね。(不可侵の約束は軍を効率的に使える点で強いですが、裏切ることができる点で弱いです。)

とくに最初は必要な場所について不可侵(/合意SO)の話を絶対にしましょう。しれっと入りたいなどという欲望がないのであれば、絶対に。

ちなみに不可侵(/合意SO)が必要な順に

黒海、イギリス海峡、ガリシア、ブルゴーニュ

ピエモント-北アフリカ、プロシアーボヘミア

チロル

あたりだと思ってます。

2.移動支援の話

これについては多くの人が意識しているでしょうし、移動支援が欲しいときに話せばだいたいタイミングとしてもあってるはずなので割愛します。

まあ強いていうのであれば、「どこにいる軍が」どこに向かうのかを明確に示すことでミスが減るということを指摘しておきたいと思います。輸送が絡むときは特に。

3.維持支援

移動支援と同じくらい重要かつシンプルな話ですが、この辺りから忘れる人が出てきます。例えばこの場面。

*1

実際にこんな盤面が訪れるかは知りませんが、イタリア目線でちょっと考えてみましょう。トルコがうまいこと地中海に進出してきて、イタリアとしてはその対処で手一杯という状況です。

さて、問題はヴェニスです。この軍を駆使して拠点を増やせるということはなさそうです。また半島の先に進めても、むしろヴェニスを失うリスクを増やすだけです。ということでヴェニスに維持させるのが最適解に思われるのですが、ここで「トリエステに対する維持支援」を出したいという話です。

オーハンが潰されればイタリアの滅亡も目前であり、他方で協力して耐えてればイギリスなりドイツなりが助けてくれたり、露土が争ってくれる可能性があるので。

 

まあ、維持支援は勝手に出してもそんなに問題はないんですが、行軍を立てるうえでも外交で話をしておいたほうが良い、ということです。

4.増産

通常、増産はその次のターン以降に軍を進めたい方向に近い場所で行います。また、海に出したいなら海軍に、内陸に進めたいなら陸軍になります。そうなると、どこに何を増産するかは、その時点での仮想敵国を表明することに近しい意味を持ちます。逆にいえば、同盟国を信頼していれば、その方向には増産しないのが正着でしょう。

ところで、侵攻したい方向とは別の方向に増産することがあります。同じ年に2以上の軍を増産できる場合には、どうしても最も効率の良い拠点以外に増産する必要が出てきます。

 

例えばフランス。イギリス攻めのときに海軍を増やしたいのですがパリに海軍は造れません。そこでブレストとマルセイユに海軍を増産しようとすると、イタリアに多大な圧力がかかるわけです。同盟国であるはずのイタリアに警戒されることになり、イタリアがイギリスに囁かれてフランス挟撃、なんてことになったら大ピンチです。

したがって、この場合は秋の外交の時点で「英攻めのためにマルセイユ海軍を造りたいけど大丈夫か?」などと断りを入れておく必要があります。(そのうえでイタリアが何と答えるかはイタリア次第ですが……。)

 

このように増産は行軍と同じくらい意図が透けるので、攻撃の意図なく増産する場合は同盟国にその旨を伝えておくのが必要でしょう。

5.支援はがし

自宅でできるストレッチみたいな名前ですが、かなり重要です。使える場面が限られているのでこの位置で紹介しますが、これを書くためにこの記事を書き始めたまであります。

以下の画像を見てください。

この盤面で、フランスのブルゴーニュがミュンヘンに入りたいと考えたとしましょう。ルール陸軍で移動支援をすれば戦力2となります。これに対しドイツのキール陸軍がミュンヘンの維持支援をするとこちらも戦力2となり、移動は失敗に終わってしまいます。

ところが、ヘルゴラント湾にいるイギリス海軍がキールを攻撃すれば、キールからルールへの維持支援がはがされてミュンヘンの防衛戦力は1となります。よって、フランスの移動は成功することになります。(デンマーク海軍がヘルゴラント湾海軍への移動命令を受けた場合でも、キールの維持支援ははがれます。)

 

自国だけで攻め込む場合は意識するのですが、複数国でとなると忘れがちです。移動したい先に同盟国の軍が接していないからといって協力を諦めるべきではないでしょう。

6.第三国の行軍

これは現に話している相手以外の国の話です。

通常、ディプロマシーの外交時間では複数か国と密談を繰り返します。2か国で強固な同盟を結んでいるとしても、その相手とだけ密談するということは稀で、広くいろんな人と外交をします。

そこで、今まさに密談している以外の国の話をすると様々ないいことがあります。

第一に、他国の行軍がわかる場合があります。これによりSOで軍が進めないということを回避したり、裏を突いて相手拠点に入ったりというチャンスが生まれます。

第二に、他国の嘘がわかる場合があります。全員に嘘をつくということは珍しく、信頼できる相手には本当の意図を話します。その”本当の意図”がめぐりめぐって伝わってくるということは十分にあり得るわけです。嘘に気づければこれを逆手にとって攻め返すチャンスにもなります。

第三に、他国の情報を授受することで信頼関係が生まれます。これはまあ手土産みたいなものです。あまり他国の情報を漏らすとかえって怪しまれますが、適度な情報交換は信頼貯金には有効です。何ターンか後に行軍支援という形でお返しが来るかもしれません。

上述のことは、今まさに敵対しようという相手との密談でも有効化は微妙ですが、少なくとも仮想敵国の同盟国、くらいであれば有意なはずです。

あるいは翻って、これらのことを話すために遠く離れた国とも積極的に外交するべきなのです。

 

ちょっと余談ですが、ディプロマシーには盤面上協力しやすい(最終盤面まで敵対しづらい)国があります。とくに時間制限のあるゲームでは1回も交戦しないまま終わることもまれではありません。

イギリスとトルコ、フランスとロシアがこれにあたります。いわゆる中央国であるドイツ、イタリア、オーハンにはその相手がいないことも外交を難しくしているといえましょう。(その不利をなくすため、中央三国同盟が結ばれ維持されることも多々あります。どの程度まで信頼していいかはわかりませんが。)

7.将来の盤面像

僕はこれを重視しませんが、信頼関係を深めるためには将来の話をすべきことは、人どうしでも国どうしでも同様でしょう。

なるほど向こう5年は利害が対立しないとなれば裏切られる心配なく行軍できる”はず”です。

 

もし僕の記事が参考になると思っていただけるのであれば、この項目が7番目に置かれていることを憶えておいていただきたい。

 

コメント

外交が慣れてくると、「ベルギーちょうだい」とか、「シレジアからワルシャワに移動支援だすから、ミュンヘンへの維持支援が欲しい」みたいに具体的な地名のやり取りが多くなります。(と思っています。)

ふわっと「英仏でドイツ挟撃しよう」とか「独墺同盟で」みたいなふわっとした約束が、いかに頼りないかを知っているのでしょう。

(1901年春の外交は様子見ですから、まあふわっとした会話も大事ですけどね。)

*1:

画像はブラウザツール

Dipssistant Lite

の盤面をスクショしたものとなっております。以下同様