【ディプロマシーの初手を開拓しよう】ドイツ② 前編

どうも、春眠暁を覚えない、四扇イドラです。

 

【ディプロマシーの初手を開拓しよう】ドイツ開拓編です。

調べてみたところ、ドイツのオープニングは思ったよりは数多くないようで、検索しても出てこないものも含めてここで紹介していこうと思います。そのため不必要な情報も多分に含まれますがご容赦ください。

 

僕の脳内の整理に従って、大きく3つにわけて書いていきます。

今回は前回の北上オープニングをベースとして、ミュンヘン陸軍の動かし方をかえるバージョンを取り上げます。

 

なお、全体の趣旨的なものは過去の記事にありますので、ご参照ください。

画像はオンラインでディプロマシーをプレイできるwebDiplomacyというサイト

https://webdiplomacy.net/

の対AIゲームの盤面となります。

ちなみに各オープニングの名前はテキトーです。名が体を表してないこともままあります。

 

1-1 ブルゴーニュアレンジ

キール→デンマーク

ベルリン→キール

ミュンヘン→ブルゴーニュ

 

ミュンヘン陸軍をブルゴーニュに進める行軍。

 

ブルゴーニュに侵入する以上は対仏の姿勢に見える。

オランダではなくデンマークに進むことから親英っぽく見えることと合わせると、英独でフランス挟撃をする意図に見える。

もっとも、次ターンのオランダ入りをイギリスに許してもらえないと2増できなくなり、イギリスの翻意により押しつぶされる危険性がある。

 

ブルゴーニュを取れた場合はイギリスとの関係値次第で、ベルギー入りを支援するかパリ、マルセイユにチャレンジするの選択ができる。

 

もちろんブルゴーニュは合意SOとすることもできるが、互いに行軍効率が落ちて、イギリス挟撃に時間がかかることになる。ロシア参戦やフランスの翻意の危険性を考慮したら、積極的にしたいSOとはいえなさそう。

お互いを信頼できないか、イギリスを騙すときに使える程度。

(なお、フランスはマルセイユ陸軍単独で2増できるため、ロスとしてはドイツのほうが大きい。そういう意味でフランスからの提案には警戒したい。)

1-2 チロルアレンジ

キール→デンマーク

ベルリン→キール

ミュンヘン→チロル

 

ミュンヘン陸軍をチロルに進める行軍。

 

パッと見は英仏どちらとも戦いたくないように見える。

仮に1901年春に英仏独で同盟が結ばれ、それが正しく履行されるのであればフランスのマルセイユ陸軍とイタリア挟撃、ノルウェーに入るイギリス軍と北欧分割をすることができなくもない、気がしないでもない。

が、普通に行軍効率が落ちるだけだし、西方を開けてイギリス陸軍を輸送でもされたら一瞬で詰む。

メタ的に、あるいは1901年春の外交で、英仏独の強固な同盟が確信できる場合の、ある種遊び心ある選択肢といえよう。

 

副産物として、イタリアのチロルアタックに対応することができる。

オーハンに潰れられると困るドイツとしてはこの副産物はあまりにも大きい。しかも、チロルでSOがおきればミュンヘンを維持したのと同じ盤面になり、対英、対仏での不都合のほとんど生じない。

 

チロルは1901年春の外交で独伊墺の3か国が不可侵としがちなのだが、これをイタリアが裏切る気配があるのであれば十分に採用の余地はあろう。

あるいはイタリアの東欧事情次第では合意SOの選択もありうる。

 

1-3 ボヘミアアレンジ

キール→デンマーク

ベルリン→キール

ミュンヘン→ボヘミア

 

ミュンヘン陸軍をボヘミアに進める行軍。

 

チロルと違い、オーハンがボヘミアに行軍することはほとんどない(あるとすれば対独強行だが、オーハンにそんな余裕はない)ので、ボヘミアに進軍できてしまう。

そうなったとして、できることはロシアのオーハン攻略を協力するか、オーハンの防衛に協力するかだが、1901年秋に他人の攻防を手伝っている余裕があるかといわれれば、ほとんどない。

ましてやドイツに直接の利がない以上選択肢には入るまい。(オーハンの延命は間接的には利があるが、そうこうしているうちに英仏に押しつぶされかねない。)

 

ということで、このオープニングの出番はなさそう。

 

1-4 シレジアアレンジ

 

キール→デンマーク

ベルリン→キール

ミュンヘン→シレジア

 

ミュンヘン陸軍をシレジアに進める行軍。

 

日和見的な対露戦略。

なぜ日和見的かというと、ベルリンをキールに進めているから。対露を強行したい場合はプロシア入りのほうがふさわしいだろう。

 

もっとも、イギリスと真に協力できる場合にはある程度有効な一手。

次ターンにキールオランダを許してもらえれば2増しつつ、ロシアのワルシャワ陸軍を抑制できる。

許された2増でボスニア湾、バルト海を埋めてもいいし、陸軍でモスクワあたりまで進行してもいい。

そのあいだ、フランスのお目こぼしをもらう必要があるが、オランダまで進んだ陸軍と外交で何とかしよう(これが難しいのではあるが)。

1902年には英独あわせて4ないし6軍でロシアを攻められるのでかなり速攻が刺さりそう。陸海の分業ができていれば英独協力のまま反転して仏取りまでし、その後にイギリスがイタリア攻めドイツがオーハン攻めと最後まで協力できそう。

 

イギリスの成長を止められないという点で1位をとれるかは怪しいが、強固な英独同盟で2位狙いというなら、将来性のある一手な気がしてきた。

もちろん、イギリス、フランスのやさしさが前提となるが。

 

1-5 プロシアアレンジ

キール→デンマーク

ベルリン→プロシア

ミュンヘン→キール

 

命令だけみると北上オープニングのアレンジに見えないが、実質的にはミュンヘン陸軍をプロシアに進める行軍。

 

シレジアアレンジとほとんど変わらないが、対露防衛ではシレジアのほうが重要である点、オーハンと協力しづらい点がデメリットであり、オーハンのヘイトを買わない点がメリットである。

あと、将来バルト海あたりに海軍を浮かべたときに北欧への輸送ができる(その時には移動していると思うが)。次ターンにデンマーク→バルト海、キール→デンマークとしたっていい。

 

その余はシレジアアレンジと同じであろう。

 

1-6 ミュンヘンオリジナル

キール→デンマーク

ベルリン→キール

ミュンヘン 維持

 

ミュンヘン陸軍を維持する行軍。

 

明らかな日和見オープニング。

オランダではなくデンマークを選ぶことでイギリスの機嫌を伺い、ミュンヘンを動かさないことでフランスの機嫌を伺っている。

自国領を確実に守りつつ、1増が約束され、イギリスに許されれば2増できる。そういう意味ではかなり安定した一手に見える。

 

もっとも、英仏ともにドイツの意向は気にしており、ドイツが信用ならないとなれば英仏での挟撃もその選択肢にあるはず。そうだとすると、ここまで安定択を採るドイツと同盟してくれるかは怪しく、かえって、西欧3か国で浮く原因になりかねない。

メタ的に、あるいは1901年春の外交を通して英仏の性質、とくにヘイトの傾向を見極めたうえで、有効そうなら使えるかもしれない。

コメント

以上、北上オープニングのアレンジでした。

 

前回紹介した2つのオープニングはいずれも英仏独の3か国しか登場しない(わずかにロシアが考慮にあった)ものでしたが、実際のゲームでは露、墺、伊、土も登場するわけです。

そういう意味で、対戦相手を英仏に限定しない選択肢を持っておきたいところです。

 

また、ドイツは中央国ですが、そのなかでも盤面中央にあるのがミュンヘンです。接する地域も多いですから、この陸軍をどこに動かすかでドイツの方針はある程度定まるものといえましょう。

友好国にとっても、ドイツの意志は気になるところですから、ある程度明確にしてあげるのがいいかもしれません。

 

北上オープニング群では、必然的に親英になりがちです。

次回の西進オープニング群では対英を意識したオープニングも登場するでしょうから、これらを紹介する回としたいと思います。