ディプロマシーについての自省録③

どうも、ウーロンハイもホット派の四扇イドラです。

引き続いて、ディプロマシーで僕がやりがちなミスを開示しつつ、これからディプロマシーに参加しようという人の参考にしてもらおうという記事です。

今回からは戦略編ということで、①②よりちょっと大枠の話をしていこうと思います。

 

が、ディプロマシーという名前通り、その本質は外交にあります。

誰と仲良くし、誰と敵対するか。いかに約束を守り、いつ裏切るか。

その戦略を練る時間こそディプロマシーの最も楽しい時間と言っても過言ではないでしょうし、十人十色の戦略があってよいと思っています。

 

したがって、ここでは具体的な戦略案を提示するのはあえて避けて、どんな戦略を立てるのにも一定の意味があるであろうものに絞って列挙することといたします。

ご自身の自由な戦略に役立てていただければと思います。

 

1.他国からどう見えているかが肝心という話

この記事で書きたいことは、ほとんどこれにつきます。

ゲーム中盤以降、とくにより多くのユニットを動かさないといけないプレイヤーは、それらをいかに動かすかに熱中してしまいがちです。

あるいは外交の場面でも、具体的な行軍予定を話しあい支援を約束することでしょう。

 

そういったミクロな視点は確かに必要なものですし、行軍でミスしないためにも不可欠でしょう。しかしながら、これに終始していると唐突で劇的な盤面の転換に気づけず、取り返しのつかない状態にもなりかねません。

 

そこで重要になってくるのが「他国からどう見えているか」という視点です。それも、同盟の有無や外交の如何によるのではなく、「盤面上」どう見えるかという視点です。

 

脅威に見えている場合

もしあなたの担当する国が、最多の拠点数をもっていたり、ユニットの配置が良かったり(相互支援しやすい配置など)する場合、他の国からは脅威に見えているでしょう。

友好関係を保っている国も、次に責められるのは自分かもしれない、そう思うかもしれません。

その強い勢力のために包囲網を築かれないように気を配りたいところです。

具体的な方法はいくつかあります。

いずれ奪取されそうな拠点を具体的に示しながら、脅威でないことを説明する方法。友好関係にあるが勢力の弱い国に補給拠点を渡してしまう方法。あるいは、他に勢力を伸ばす国が出るまで防御して、スケープゴートにする方法。

他にもあるでしょうが、その脅威がたいしたことないと伝えたいものです。

 

ひん死に見えている場合

もしあなたの担当する国が、一つや二つの拠点しかもっていなかったり、ユニットが散り散りになっている場合、他の国からはひん死だと思われているでしょう。

友好関係を保っていた国も、今なら裏切っても大丈夫だと、そう思うかもしれません。

他国に占領される前に拠点を奪おうという攻撃的な国に目を付けられないよう、策を講じたいところです。

が、正直ひん死というところまで行ってしまえば盤面上明らかで覆すのは容易ではありません。勢力が縮小しつつある段階から、弱体化に気づかれないようにしつつ、何とか防衛できる範囲にとどまりたいですね。(それが極めて難しいのですが)

 

他国との関係についても

他国との関係についても同様のことがいえます。

もしあなたと隣国との同盟関係が強固だと思われたら、周辺の国は攻撃を仕掛けようとは思わないかもしれませんし、同じくらい強力な同盟を組んで潰しに来るかもしれません。

もしあなたと隣国との同盟関係が不安定だと思われたら、周辺の国はチャンスと見て攻めてくるかもしれませんし、裏切りをチラつかせて良い条件を引き出せるかもしれません。

 

同盟がどうなってると思われたいかによって、あえて支援に失敗したり、多めに支援を出したりと盤面に現れる情報をコントロール出来たらよりよいでしょう。

 

2.同盟はいつか終わるという話

あまりにも当たり前すぎて怒られるかもしれませんが、同盟はいつか終わります。

勝者が1人に決まる以上、最後まで仲良しというわけにはいかないものです。

(時間制限を設けている場合や停戦協定が成立した場合には、同盟が終わる前にゲームが終わる場合がありますが。)

 

では、どのような場合に同盟は終わるでしょうか。プレイヤーが(一応)合理的にプレイする以上、裏切りのタイミングはある程度類型化されると考えましょう。そして、そのなかでも多いのが以下の3パターンだと思われます。

  • 他に行き場がなくなったとき
  • リスクなく裏切れるとき
  • 誤解、連絡不足、命令ミスがあったとき

そして警戒するべきは、より良い同盟が組まれたときです。

イギリスがロシアと同盟を組んだからといって必ずしも英仏同盟が終わるわけではありません。が、イギリスがフランスを攻める以外に拠点を増やせそうにないなら裏切るインセンティブがあるでしょう。

そして、背後が守られフランスに集中することでリスクなく仏領を落とせるのであれば、より一層イギリスの裏切りは現実的なものになるでしょう。

 

裏切られる上記の条件を成就させないことで突発的に裏切られるリスクはある程度減らせますし、逆に言えばせっかく裏切るのであれば上記条件を考慮に入れつつ合理的なタイミングを見計らいたいところです。

 

(2位狙い、3位狙いなど勝利を放棄したプレイヤーがいる場合にはまた話が変わってきます。明確に順位をつけるレギュレーションの場合には、相手のプレイヤーがどのようなモチベーションをもっているか、その実現のために何を必要としているかを読み取る必要があります。

 その辺の具体的な話は、またどこかで書きますので、そちらに譲ります)

 

3.情報は武器であるという話

これまた当たり前すぎて怒られそうな話ですが、情報の有益性をフルで活用するのは意外と難しいものです。それも、限られた外交時間のなかでは。

 

あなたはまず、隣接する国と不可侵や支援協力の話をするでしょう。余裕があれば、隣接する国と隣接する国に、牽制をお願いするかもしれません。そして、最初のころの僕はここで時間が終わり、命令を記入する時間になります。

ほとんどの場合、命令を記入するのに十分な情報を得られたので、これで不足があるとは思いません。

そして、隣接国が今しがた話していたのと違う行動に出たときに、自分のもっていた情報が嘘であることを知ります。

 

僕がここでオススメしたいのが、遠く離れた国(現実的な利害関係をもたないような国)と情報を交換することです。

遠く離れた国は、あなたの国周辺の情況について詳細な事情をもたないかもしれませんが、あなたに嘘をつく理由ももっていません。同時に、あなたの国周辺の情況について遠く離れた国に嘘をつく理由もないでしょう。

嘘をつく/つかれるというエネルギーを使わないぶん効率的に情報を収集できるでしょうし、致命的な裏切りを事前に察知するきっかけになったりもします。

ほんの数秒でも、遠く離れた国とも外交することをおススメします。

 

ちなみに、「情報は武器」というのは、多くの情報をもっているほうが有利であるという意味でいいましたが、誤った(不正確な)情報は相手の選択に致命的な誤りを生じさせうるという意味でも言えるでしょう。

むやみに嘘ばかりをつくのは推奨しませんが、誠実なふりをして誤った情報という毒を盛るという戦法も、選択肢の一つとして用意しておくのが良いと思います。

 

おわりに

ということで、「ディプロマシーについての自省録」はいったんここまでとします。お付き合いいただきありがとうございました。

書かれてることをすべて意識し続けるのは困難でしょうし、これをすれば絶対に勝てるというわけではありません。

が、どうしてかわからないけど気づけば負けてる、ということを減らすきっかけにはなるかなと思っております。

ディプロマシーを楽しむ手助けになれば幸いです。

                                    以上